先日フルモデルチェンジされたホンダの軽自動車「N-ONE」
中でもカーマニアが注目しているのは「RS」というスポーツグレード。

軽自動車初となるターボエンジン+6速マニュアルトランスミッションを搭載しているとのことで、その走りやいかに!という興味から、さっそく試乗をしてまいりました。

ホンダさん、今回のRS6MTはセールスにも力を入れているらしく、結構たくさんのディーラーに6MT車を用意しているらしいです。とはいえ現時点では松本平ではHondaCars信州・豊科店にしか置いてありませんが・・・

私は4年ほど前まで、中古で購入したHONDA Beatを所有していました。Beatの後継であるS660というクルマもホンダさんは用意してくれておりますが、花粉症で1年の半分は鼻をぐすぐすさせている私にはオープンカーはつらいという当たり前の事実を考えれば、興味はS660よりもN-ONEのマニュアル仕様へ向いてしまします。

<10年間保有していた私のホンダ・ビート。2012年撮影>




対面したN-ONE RS6MT(以下RS6MT)は黄色いボディーカラー。内装にはオレンジの差し色が施されておりますので、私が購入するならオレンジ一択!などと購入の予定もないのに妄想は膨らみます。



運転席に収まってまずは自分の身体にあったシートポジションが取れるか確認します。残念ながらこの車にはステアリングの前後調整(テレスコピック)機構がつかないこと、そしてちょっと小振りなシートであるため、運転姿勢はちょっと苦しいものに。

この車の価格は約200万円(高いっ!)
それを考えればシートが小振りなのは軽自動車ですからまだ許せるのですが、せめてテレスコは付けて欲しかったですよホンダさん〜というのが本音です。

シートに関してはもしこの車を購入するならソッコーでレカロシートに換えると思います。私の身長は176cm。ひょろひょろと手足が長い体型であるため、軽自動車に私の体型にあったシートセッティングを求めるのは酷なのですが・・・

ちなみに私が乗っていたビートには購入時からコブラのフルバケットシートが付いていて、ステアリングもナルディーのやや手前にセッティングされたモノが装着されていたので、運転姿勢はまったく問題ありませんでした。

ちょっと落胆しつつも左手をシフトノブに伸ばせば、思わず笑みがこぼれます。


<中の写真を撮り忘れたので、ホンダさんの公式HPより拝借した画像です>

本革巻きの小振りなシフトノブ。新車ですのでまだ多少の引っ掛かりはありましたが、節度のある素晴らしい手ごたえのシフトフィール。ああ、いいなあ、この感触。

ちょっと市街地を離れたコースがあるというので、営業さんに従ってそちらへ車を走らせます。

いや、出だしから早い!低回転からターボが効くその力強さは、坂道になったとたんに狼から豚に変容してしまったビートとは比べ物になりません。私と妻、そして営業さんという3名が乗車しているというのにグイグイと坂道を上っていきます。

乗り心地も適度な硬さで段差をいなしていきます。1人で乗るとまた印象が変わるのかな?

クラッチの重さは50代の私には丁度いい。あまり重いと疲れます。ステアリングの重さもしかり。この車で本格的なスポーツ走行をしたいと考えている人はもうちょっと重たいセッティングを望むのだと思います。

エンジンはとても元気。レッドゾーンの7,000回転まであっという間に上っていきます。クラッチを切った時の回転落ちが遅くてちょっとスポーティーさに欠けますが、そこはN-WGNなどと共用しているエンジンですから仕方ないでしょう。それでもこれだけ楽しいのですから。

私はどこぞでドライビングレッスンを受けた経験もありませんので、専門的な試乗インプレッションをお伝えするほどの力量は持ち合わせておりません。ただ一言だけ伝えることができるのは「楽しい〜!」

N-ONEは実用車としても素晴らしい車です。



私のシートポジションに合わせた上でリアシートに乗りこんでも、余裕で膝の前には空間が残ります。女性が運転するケースならば、後席の人はきっと足を組めることでしょう。

リアハッチは薄いバンパーぎりぎりの高さからガバっと開きます。



ホンダさんが特許を保有しているセンタータンクレイアウトのおかげで燃料タンクをリアシート下に持たないため、リアシートは前方へ沈みこみながらたたみ込まれます。その結果、広大な荷室スペースが生まれます。大きな買い物をした時はもちろん、様々な生活シーンで活躍すること間違いなしです。


私がビートを手放した4年前にこのRS6MTがあったなら、間違いなく購入していたことでしょう。

すでに絶滅寸前の状態にあるマニュアルトランスミッションの車。世の中が完全にEVで置き換えられるその日まで、メーカーさんにはFUNでHAPPYなRS6MTのような車を作っていってもらいたいものです。