すでに各種メディアで報じられておりますので、ご存知の方も多いかと思いますが、現在、エチオピア産の珈琲生豆の輸入が全面的にストップしております。昨年度収穫の豆から残留農薬が見つかったためです。当店ではきちんと検疫をパスした一昨年度収穫の豆を確保して、何とか販売を続けて参りましたが、いよいよ昨日をもって、この豆の在庫も終了してしまいました。

現時点で日本国内で商社から購入できる生豆は、一昨年度収穫のオールドビーンズか、残留農薬の心配がない有機栽培豆(オーガニック)のどちらかになります。オールドビーンズは国内の在庫はもうほとんどない状況ですので、有機栽培豆を調達するしかありません。もちろんオーガニック豆は卸値も高いのですが、四の五の言っている場合ではありませんので、当店でも有機栽培のエチオピア豆を調達しました。

本日から、当店のモカ(エチオピア・イルガチェフ)は上記のような理由により「有機栽培モノ」に切り替わります。ずっと当店で取り扱っていたG1(エチオピア豆の最高グレード)の、すっきりとしたクリアさはありませんが、きちんとモカフレーバーは感じられます。有機栽培モノだけあって欠点豆が多めで、苦味が若干プラスされたテイストです。G1の爽快感を知っていらっしゃる方にはもの足りないかもしれませんが、現時点ではこれしか選択肢がございませんし、健康志向が高まっている昨今では、味の完成度よりも、「安心」に対価を払ってくださるお客様がきっと多いことを信じております。

昨年からの輸入停止騒ぎと相まって、有機栽培モノの卸値は高めで推移しており、今回当店で取り扱いするにあたり、販売価格をどうしようかかなり悩みました。結果、今までと同じ¥450/100gで提供させていただくことにしました。当店で「積極的な選択」をしたわけではなく、現状ではこの豆しか確保できなかったということですので、後ろめたい思いをして販売価格を上げたら、きっと後悔すると考えたからです。

春先にはおそらく、本年度のニュークロップが上陸してくるはず。エチオピア側もしっかりと生産体制を整えてきれてくれたことを信じております。爽快な後味、バラのような華やかな香り、甘い舌触り。モカの最高傑作「エチオピア・イルガチェフ」のG1を、再び皆様に提供できることを願っております。