今日は定休日。やることもそんなになくて、時間がたっぷりとあったので、「東座・フロムイースト」まで映画を観に行ってきました。

東座で映画を観るのは、私の記憶が正しければ、小学生の時に「サンダーバード」を観て以来(笑)。映画館はあの当時のままの昭和の香りをそのまま残していました。

東座が「フロムイースト」という名前で、大きな映画館では上映されないような作品の中から、名作を選りすぐって上映しているというのは知っていましたが、なかなか足を運ぶ機会を作れずにいました。昨日、珈琲豆を買いに来てくれたお客様が「とってもおもしろかったですよ」と言って、フロムイーストで上映されている「みつばちの大地」という映画を紹介してくれたので、思いきって観に行くことにしたのです。




私たちが口にしている世界中の食物の1/3が、みつばちによって受粉されているのだそうです。そのみつばちが、近年、突然消えてしまったり、大量死したりという問題に直面したりしています。この映画は、その謎に迫る、2年間に及ぶはちと人間の関係を追ったドキュメンタリー映画です。

この映画を見て初めて知る事実には大変驚かされました。北米、中国、ヨーロッパのみつばちは、ほぼ人間の力でコントロールされていて、女王蜂の育成から、コロニーの分割まで、システマティックに運用されているのだそうです。女王蜂を小箱にパッキングして、宅急便で世界中に発送する光景にはさすがに驚きました。

アメリカを例にとると、受粉を必要としている大きな農園があると、アメリカ全土の養蜂家がそこに集まります。そして受粉が終わると、また次の農園へと、何百という巣箱を抱えて、養蜂家たちはアメリカ中を渡り歩くのです。その結果、疫病やウイルス、害虫などを持ち帰ってはまた拡散してしまうということを繰り返してしまうリスクも生むわけです。

病気などで弱っていく蜂のために、定期的に抗生物質を入れた砂糖水を与えるのが当たり前になっているとのことで、北米・中国・ヨーロッパのみつばちは、すでに抗生物質なしでは生きられなくなっているのだとか・・・

動物や虫たちの生までもコントロールしてしまった人間は、神のみに与えられた領域に、すでに片足を入れてしまったのかもしれません。とても考えさせられる内容のドキュメンタリー映画でした。




昨日あたりから、庭からキンモクセイの香りがしてくるようになりました。いよいよ本格的に秋に突入ですね。あちらこちらにミズヒキの赤い花が彩りを添えています。