花王が「エコナ」の販売を自粛するというニュースが世間を騒がせています。このニュースを私は「やっぱり・・・」という気持ちで聞いていました。植物油を高温で精製することや液体油を水素添加して固形化する過程で発生する「トランス脂肪酸」が、心臓疾患などの原因となるということで、ニューヨークのレストランがこれらの植物油を使用するのを禁止したのは2年ほど前のことだったかと思います。放置しても腐らない油脂「マーガリン」が、とうの昔にヨーロッパ各国では製造中止になっているのも事実です。

「エコナ」の販売自粛という背景の中で、見落としてはならないと思うのは、「エコナ」は厚生労働省の「特定保健用食品」の認定を受けていたということ。これを大々的にアピールして、「健康に良い油」を謳い文句にしていたわけです。厚生労働省も「トランス脂肪酸」や今回の回収の説明にあった「グリシドール脂肪酸エステル」などが、健康を害する恐れがあるということはとっくに認知していたはずで、専門家や消費者団体からの様々な意見も耳に入っていたはずです。2年前のニューヨークの件の報道があった時、どうして日本はすぐに手を打たないのかと疑心暗鬼になりました。

「エコナ」は1つのメーカーが自主判断で製品を回収したという事に過ぎません。きっちりと精製油の問題点を洗い出して、何らかの対策を施さなければ、私達の未来は暗いものとなってしまうでしょう。大量消費時代への警告を真摯に受け止め、これからもより良い食生活を維持していけるよう、国もメーカーも対策を講じて欲しいと願うばかりです。



我が家の庭には「秋の花」があまりなくて、ちょっと淋しいこの頃です。昨年植えたミズヒキの種がこぼれたと見えて、今年は近辺のあちらこちらにミズヒキが伸びてきました。かなり細く長く伸びる植物ですので、本当はもっと開放的な場所に植えてあげれば良かったと後悔しています。