昨日はちょっとだけ遠出をいたしまして、長野市の善光寺に隣接する「信濃美術館」に行ってきました。今回の展示内容はと言うと・・・

ジブリの絵職人 男鹿和雄展 -トトロの森を描いた人。

という内容でして、「トトロ」を始めとして、その他の多くのジブリ作品の背景画を描いてきた「男鹿和雄」さんの作品展です。

実際のアニメーションは、水彩画(場合によっては色鉛筆・パステル・クレヨンが加わる)で描かれた背景に、透明なセルに描かれたキャラクターの「セル画」を重ねて、同じ背景の上でキャラクターが動くように撮影していくわけです。従って、実際に劇場で見る映像からキャラクターの動きをそっくりと取り除いてしまったのが「背景画」ということになります。

絵の具で描かれた背景画のその美しさといったら、思わず言葉を失うほどです。雲のグラデーション、水面の輝き、木目のうねり、雨に塗れたアスファルトの質感、どうしてそれらを絵の具だけで表現できるのか、それはまさに職人技の世界でした。

こんなきれいな背景画を、我が家のリビングにも飾りたいなあ・・・と思ったのですが、大きな絵はそれなりに高価ですので、せめてポストカードくらいはと思って、3枚ほど購入してきました。
どうです?今にも「メイ」や「サツキ」がこのあぜ道の上を走り出しそうな気がしませんか?



これらの絵を見ていたら、なんだか画用紙を持ってどこかに絵を描きに行きたい衝動に駆られました。きっと小さな子どもたちだって、こんなに素晴らしい作品を間近にみたら、同じことを思うはず。

今の教育現場はなっていない、とか何とか、今の子どもたちの教育をとやかく言う前に、より良い芸術に触れさせてあげて、画用紙とエンピツを持たせて一緒に山へ出かけるくらいの行動力がなければいけないナ・・・と、子どもを持つ親として、ちょっと反省した次第です。

ゲームやiPodは確かに楽しいかもしれませんが、閉じ込められた世界の楽しさよりも、もっと美しくて、もっと感動的な世界がたくさんあることを教えてあげられたら・・・と思いました。それがナカナカできないんですけれどもネ。