梅雨の合間に満開となった我が家のエゴノキの花。
その花が庭中を芳醇な香りで満たすと、毎年やってくる数匹のクマバチたち。
「やあ、また会えたね」と、1年ぶりの再会を喜ぶのでした。




一昨日、高校時代の同窓生数人で集まりました。
「年に一度の高校OB全体の同窓会があって、そのあとで自分たちの学年の数人だけで飲むんだけど、よかったら来ない?」と誘ってくれたのは、当店のお客様でもあるY女史。いつもは出不精の私ですが、今回はワケあってその集まりに参加してきました。

一昨年、高校OB全体の同窓会の幹事を、私たちの学年が受け持つことになりました。その時に私にも「手伝ってくれない?」という声が掛かったのですが、なんだかんだと理由をつけてその誘いを断ってしまったのでした。

その後、Y女史が和服姿で司会した話しだとか、他の同級生たちが皆で協力してがんばって同窓会を盛況のうちに終えた話しなどを伝え聞くうちに、自分のとった判断のあまりにも冷たかったことを後悔して、何となくモヤモヤしたまま2年間を過ごしてきたのです。

そこへ今回のお誘い。
私たちの学年の同窓会長を務めているS氏も、2年前に私を熱心に誘ってくれたK氏も、2人ともその飲み会に来るというので、この機会にあの時の非礼を詫びようと思い立ち、その会へ参加することにしたのでした。


非情な態度をとってしまった私を、S氏をはじめとした仲間たちは笑って許してくれました。1年経って花が咲けば忘れずにやってくるハチとは違って、1年経っても昔の仲間たちが自分を誘ってくれるという保証はどこにもありません。何年もかけて培ってきたはずの友情も、失うときは一瞬で失ってしまうのです。

今年も我が家の庭を訪れてくれたクマバチの姿を追いながら、私を暖かく迎えてくれた友たちを思い出し、そして感謝したのです。