No.044 / 2006年12月31日

「回顧 -2006-」

 
 2006年の営業を終えました。昨年同様、「あらかじめ決めた休み以外は休むことのないようにする」、「お客様が1人も来ない日をなくす」という、しご く当たり前の目標を、本年も達成することができました。簡単なことではありますが、それを支えてくれている陰には、家族だったり、お客様がいるわけ で、自分ひとりでは達成し得ない、大切なことだと感じております。

 今年1年を振り返ってみて、店主が感じたのは「3年目の壁」です。店をオープンしてから3年を経過し、常に新鮮な発見を探している消費者からは飽きられ てしまう頃合いです。最初の3年間はスタートラインが低かったために、極力、媒体による宣伝を控えているとはいえ、それなりにお客様の数は伸びておりまし た。しかし、今年はそれほどの伸びがありませんでした。「良いものは宣伝しなくたって認められる!」と、青臭い理想を追いかけてきた店主ではありますが、 厳しい現実を目の当たりにしてみると、さすがに頭を抱えてしまうものです。2007年は、継続した努力はもちろんのこと、もっと珈琲のすばらしさを皆様に 知っていただくような店の展開を考えていかなくては・・・と考えております。

 好転した事もありました。胆のう摘出後のお腹の状態がよくなく、整腸のために毎日の昼食にはサツマイモを食べる日々が続いておりましたが(
No.024 イモと珈琲と)、極端に油っこい食事を控えれば、一般的な食事をしても大丈夫になりました。 一生付き合う覚悟をした食生活でしたが、結果として普通の食生活ができるようになったことは大変にうれしいことでした。あらためて健康でいられることの素 晴らしさを実感した1年でした。現在の店主の昼食は、小さめのおにぎり2つ程度と、ちょっとしたおかずだけです。東京で会社員をしていたころは、勤め先が 赤坂という場所ということもあって、昼から焼肉を食べに行く・・・というような食生活でしたので、それに比べたら何とも質素な食事です。しかし、粗食では あっても、決して 粗末なわけではありません。イモしか口にできなかった日々を経験したからこそ、粗食であっても十分に幸せを感じられるようになりました。4.5坪の焙煎小 屋の片隅でかじりつく握り飯。その1粒1粒が胃袋に流れ落ちていく喜びを、来年もまたかみ締めることになるでしょう。

 今年もまた終わりが近づいています。
 それは、たった1つの時点を越えるだけの出来事。
 時計の針がわずかに動くその瞬間。
 でも、ただそれだけのことに人々は願いをかけるのです。

 今年出会えたすべての人へありがとう。
 どうか来年も素晴らしい1年でありますように・・・。



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