6月になると、木祖方面のお客様と必ず話題になるのが「朴葉巻」。ご存知ない方のために簡単に説明すると、柏餅の柏の葉を、朴の葉にしたものと考えてもらえば良いかと思います。ただ、数枚の葉が枝についたまま餅を包むのが特徴の朴葉巻は、枝からいくつもの餅がぶら下がっているところが、柏餅などとは決定的に異なる点です。

ここ数年は朴葉巻の季節になると、必ず木祖まで出掛けていって購入していたのですが、今年はちょっと楽をさせていただきまして、塩尻市内の和菓子屋さんで買い求めました。地方に伝わる伝統的なお菓子ですから、本当は現地まで行きたいところですが、それでも、我が町に朴葉巻が買える店があることに感謝した次第です。

そんな話しをしていたら、木祖のお客様であるAさんから、枝についたままの朴の葉をいただきました。長さが30cmはあろうかという葉が何枚もついたままの枝の存在感といったら、それはもう圧巻です。更に「朴葉巻の作り方」のイラストがはいった絵ハガキまでいただきまして、本当にありがたいことであります。

木祖の方たちは、朴葉巻を自分のご家庭で作られる方が大多数。私も作り方を教えていただいたことだし、ちょっとトライしてみようかな?とも思いましたが、ここのところパンだとかお菓子だとかを作る気力がすっかり無くなってしまいまして(何でだろう?)、今回は料理のお皿として使わせてもらいました。



料理は妻の担当。カレー風味の鶏肉の炒め物です。
なんでも朴の葉には殺菌作用があるそうで、昔の人たちは生活の中からそういった知識を学んで、それを活用していたかと思うと、あらためて昔の人々の生きるチカラみたいなものを感じます。

スーパーに並んだ味気ない白いトレーに入った食品の数々を昔の人たちが眺めたら、さぞかし奇異な光景に映るんだろうなあ。