No.004 / 2004年05月06日

「1st Anniversary」

「Toiro Coffee」も5月1日で満1才となりました。この店がオープンした2003年の5月1日は、私たち夫婦の新たな人生の出発点でもありますので、自分た ちの第二誕生 日と勝手に決め付けております。典型的なB型人間の私は、何事も用意周到に進めるということが苦手であり、その場しのぎの毎日を送っています。そんな日々 の積み重ねでも、1年という月日を振り返ると、さすがに感慨深いものがあります。こんな田舎町の寂びれた住宅街の小さな豆売り専門店に、本当にお客様が来 てくれるのだろうか・・・そんな不安と過ごした1年間でした。

まだまだ最低でもクリアしないといけない売上目標には程遠い状況ではあるのですが、コーヒーが好きでたまらないというお客様達とのコミュニケーションは、 十分に私の日々を充実したものにしてくれています。初めて当店のコーヒー豆を購入してくれたお客様が、「美味しかったヨ」と言ってまたお店に来てくれた時 の喜びは何物にも代えられません。思えばサラリーマン時代、お客様には怒鳴られてばっかりでした。商品を買ってもらったのにお客様は満足していない。それ どころか商品の欠点を指摘するクレームばかりです。私が取り扱っていたのが、「ソフトウェア」というプログラムで作成された実体の掴みにくいモノであるこ とが、そのような状況を生むのでしょう。「商品を買ってもらったのに、お客様から喜ばれないなんて・・・」そんな疑問が常に頭の中にありました。お客様に 喜んでもらえるような仕事がしたい・・・それがお店を始める原動力になったのかも知れません。

辛いこともありました。昨年の12月に突如私を襲った「胆石症による急性胆のう炎」です。背中から始まった鈍痛は、やがて胃をわしづかみにされたような激 痛にとってかわり、呼吸するのにも困難を極めるよう状況で、やっとの思いで救急車に乗り込みました。医者からも、「痛かったでしょう。放っておいたら危な かったですよ。」と言われるくらいに私の胆のうは炎症をおこしており、通常の胆のうの大きさの倍異常に膨れ上がっていました。腹腔鏡手術で摘出された私の 胆のうは、その中に2cm大の胆石をしっかりと抱えておりました。おかげさまで術後の生活には何の不自由もなく、快適に毎日を過ごしております(ちょっと 食べ過ぎたりするとお腹をこわすのですが・・・)。しかしながら急な病で店を1ヶ月ほど閉店せざるを得なかったのが、今でも心残りです。お店を訪れてくれ るお客様一人一人に詳しい説明をするわけにもいかず、中には「廃業したのかな」なんて思われた方もいらっしゃったでしょう。できるのであれば、その時にお 店に訪れてきてくれた皆様ひとりひとりにお詫びしたい気持ちで一杯です。


お店も2年目になるということで、更なる進化をしたいという願いから、店看板を新しいものに代えてみました。出来る限り手づくり で・・・というポリシーに従いまして(本当は予算の問題なのですが)、いつものように妻の手書きです。安普請な看板ではありますが、書き手の気持ちがきっ と伝わってくれるハズ・・・と店主は信じているのです。

1年間、当店をご利用してくださった皆様、本当にありがとうございました。これからもTorio Coffeeを何卒よろしくお願いいたします。皆様の期待に十分に応えられるよう、日々精進を重ねたいと心新たにする店主なのでした。



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十人十色のコーヒータイムを演出する、Toiro Coffeeです。
http://www.toirocoffee.com