スーパーカー・ブームの真っただ中で幼少期を過ごしたクルマ大好きなトイロコーヒー店主の試乗レポート、今回はHONDAの商用軽自動車バンのN-VANに試乗してきました。

最近はTVというものをほとんど見なくなった我が家。ネット配信のドラマを見たり、Youtubeでお気に入りのチャンネルを見ながら夕食をいただくというのが定番化しつつあります。

Youtubeで最近よく見ているのは、電車や車で全国各地を巡っている人たちの動画。家に籠りっぱなしでもいろんな観光地を巡った気分になりますし、自分たちもそこに行ってみようという気にさせられてワクワクしながら見ているのです。

とりわけ、キャンピングカーで全国各地の道の駅で車中泊をしながら、観光地や名所を巡っている人の動画にはまっています。で、単純な私はすぐに影響されまして、いつかキャンピングカーを購入して各地の名所巡りがしたい!などと妄想するのでした。

しかし、あのまるで動くリビングルームのようなサイズのキャンピングカーを購入するのは経済的にも難しそうだし、それを運転する自信もありません(笑)しかしYoutubeでは軽自動車の商用バンを改造してキャンピングカーにしたり、簡単な車中泊ができるように改造してソロキャンプに行ったりしている人がたくさんいます。そうだ、軽自動車のバンならいつか自分でも持てるかもしれないぞっ!っと、またまた妄想を膨らませるのでありました。

一度膨らんだ妄想は止まらなくなってしまい、ついに本日、ホンダの販売店様まで出向き、妄想の対象となったN-VANに試乗することになったのでありました。


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実は20年ほど前に、この車の前身であるバモスという軽バンを所有していたことがありました。軽自動車とはいえその広大な荷室は2人掛けのソファーも軽々と飲み込み、それはそれは重宝したものです。

このN-VAN、ソロキャンプをする人たちになぜ大人気かというと、その特殊な構造にあります。セカンドシートを倒して、さらに助手席まで倒してしまえば、広大でフラットな荷室が出現し、さらに助手席側のドアとその後ろのスライドドアの間にある支柱(ピラー)がないために、びっくりするほどの大開口部が実現しているのです。

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別にキャンピングカー仕様にしなくても、小さな折りたたみ椅子と小さなテーブルを荷室に持ち込めば、夫婦2人で簡単な食事くらいはできる空間があります。おおお〜、これは更に妄想が膨らむぞ〜、と思いつつ今度は実際にN-VANを走らせてみるのでした。

う〜ん。遅い!(笑)
軽バンはマニュアルトランスミッションの車で乗りたいので、マニュアルの試乗車が置いてあるディーラーさんを探し出して試乗したのですが、いくらマニュアルで自分の意のままにエンジンを操れるとはいえ、約1tという重量を引っ張るのに、自然吸気の660ccエンジンはさすがに非力。バモスに乗っていたころはそれほど非力さを感じていなかったのですが、これはどうしたことでしょう。

これはきっとN-VANと同じ6速のマニュアルトランスミッションを積んだHONDA N-ONEを2年前に試乗させてもらい、そのあまりに楽しかった感覚を体が覚えていて、その体験と無意識のうちに比較してしまっているのかもしれません。いや、N-ONEはターボエンジンでしたから、比べるのも酷なのは十分承知の上ではあったのですが。

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ホンダさん自慢の6速マニュアルトランスミッション。S660という軽自動車の2シーターオープンカーのために開発されたトランスミッション。N-ONEの試乗でも感じたように、スコスコとシフト操作が決まって気持ちいい〜、でも遅い(笑)

N-VAN買うならマニュアルはあきらめて、ターボ加給付きのエンジンが選択できるCVT車を選ぶだろうな〜というのが今日の結論。もうちょっと先に控えているマイナーチェンジではアダプティブ・クルーズコントール機能が採用されるという噂もありますので、高速道路でもその機能をオンにすれば前車に自動追従していってくれます。現代のオートマ車には必須のこの機能が加われば、魅力が増すのは間違いないですね。


乗り心地はとても優秀。バンとは思えない柔らかな足まわりは、大きな段差ではさすがに突き上げを感じますが、普通の道路であればいたって快適。ただ、この車は基本的には1人で運転するのに最適な構造となっているため、助手席はとても簡素な作りになっているので、長時間の乗車はかなり苦痛。ソロキャンプには最適かもしれませんが、我が家のように夫婦であちこちに出掛けて車中カフェをしたいっ!という願望を叶えるには、かなりの無理が強いられるでしょう。


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ということで、N-VANは一人で車中泊やソロキャンプの道具として使い倒すには最適な車なのですが、夫婦2人でちょっと遠距離ドライブまで楽しみたいという人にはオススメしにくいクルマでした。軽自動車の枠にとらわれずに1リッターターボエンジンあたりを積んだN-VANよりもちょっと大きなバンがあればいいのになあ・・・