秋になると俄然高まってくるオーディオ熱。お店のBGM用スピーカーもちょっと替えてみよう・・・ということで、スピーカーを変更してみました。

今まで使用していたのは、私の自作スピーカー。使用しているユニットはPARC AUDIOのウッドコーン8cmユニット(DCU-F101W)。当店のインテリアにもマッチしていて私のお気に入りなのですが、音は優等生で個性のある音ではありません。たまには個性的な音も楽しみたい・・・と、いうことで新スピーカーの登場です。

今回の箱は私の自作ではありません。キット屋さんが販売する市販品です。この箱を製作していらっしゃるのは、乗鞍のペンション「Winds」のオーナー。乗鞍で作られたスピーカーが愛知県刈谷市のキット屋さんに納められて、そして里帰りよろしく松本平の当店へとやってきたということになります。



この箱は本来はパイオニアのユニット「PE-101A」用に作成されているのですが、私がビルトインしたのはALTECの204-8Aという10cmユニットです。今回の箱は、もともとアルテックが過去に販売していた「A7」というスピーカーのデザインをミニチュア化したもの。そういうことであれば、ユニットもアルテックを用意してあげたくなるというものです。ALTEC A7と言えばJAZZを聞く定番中の定番。オリジナルは大きいし価格だって中古で50万はします。せめてこのミニチュア版でアルテック・サウンドを堪能することにいたしましょう。

このユニットの特徴は、能率がズバ抜けて高いこと。最近の多くのユニットが85db前後の能率であるのに対して、ALTEC 204-8Aは何と95dbの能率があります。同じボリューム位置で聞けば、ALTECからはとんでもない大音量が流れ出します。中域の張り出しがこのユニットの生命線。まるでメガホンのような「フロントローデッドホーン」形状のミニA7の箱との相乗効果もあって、ラッパの音がスルスルと目前に迫ってきます。旧き良き時代のJAZZボーカルものなんて最高にマッチします。



で、本日のBGMは50年代を代表するセクシー・ボイス、ジュリー・ロンドンの「・・・at Home」です。このアルバムはタイトルが表している通り、ジュリー自身の自宅リビングにて録音されたものです。デジタル技術などまったく存在しなかった時代のアナログサウンドの生々しさがリアルに感じられる素晴らしい作品です。ほとんどの音源がコンピュータで作られ、パソコン上でミックスされていく現代の「作られた音」とは対極のサウンドです。

ただ一言、癒されます・・・。