先日、蕎麦打ち名人のAさんから、打ちたての蕎麦をいただく機会がありました。

「昨年収穫の蕎麦だから香りは弱いかもしれないよ」とおっしゃっていたのですが、使った蕎麦は青森県産のものだということで、名人の称号を持ってしても尚、美味しい蕎麦を追求している姿には感服いたしました。

さて、青森県産の蕎麦で打ったというこのソバ切りをどうやっていただこうかと考えた結果、スペイン風アレンジでいただくことにいたしました。

浅間温泉にある温泉宿「玉の湯」さんが経営されている「つけもの喫茶」という食事処があるのですが、そこのメニューに生ハムを載せてオリーブオイルでいただくという蕎麦があったのを思い出したからです。

玉の湯のご主人は、私の記憶違いでなければ、Aさんと同じく「信州そば切りの会」の運営に携わっていた方。その方が打った手打ち蕎麦を「つけもの喫茶」では提供していて、とてもつややかな細切りの美味しい蕎麦を楽しんだ記憶があります(10年以上も前の話しですが・・・)


「信州そば切りの会」はスペインのSOBA村と交流があり、その中でそば切りをスペイン風にアレンジしたらどうなるだろうか・・・という試行錯誤の末に、上記のような生ハムとのコラボレーションが生まれたのだと推測します。

スペインではガレットなどではソバ粉を用いますが、そば切りの文化はもちろんないはずです。信州そば切りの会との交流で、スペインでもそば切りを食べる文化が拡がれば面白いだろうな〜と思います。

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大皿にサラダを用意したら、ゆで卵と生ハムをトッピング。生ハムはスペイン風ということで、スペイン産のものを使用してみました。そしてその隣りにゆでたてのそば切りを盛ります。味付けは岩塩を振りかけて、そしてオリーブオイルを回しかけていただきます。

これがなかなか美味しいのです。提供する蕎麦に自信があるお店では、「最初は塩で召し上がってください」と、そば切りを塩とともに提供するお店も少なくありません。

我が家でも塩で蕎麦をいただくのは数年前から日常化してきておりましたので、何の抵抗もなくいただくことができました。適量のオリーブオイルが加わることで、異国風の味わいが高まり、幼い頃から記憶していた蕎麦の味とはまったく異なる味わいにワクワクが止まりませんでした。

生ハムの適度な塩味で蕎麦が持つ甘みをほのかに感じて、それはスイカに塩を振って食べるのに通じるものがあるような気がします。

生ハムをそば切りの上に直接トッピングする方法と、先の写真のように別に盛っていただく方法と、2種類の方法で食べてみましたが、個人的には別に盛った方が好みでした。異国風を楽しむといっても、自分の中で確立してしまっている蕎麦のイメージを完全に離れることはそう簡単ではないようです。

というわけで、生ハムとオリーブオイルでいただくそば切り、もしも美味しい蕎麦が手に入ったら、ぜひとも試してみることをオススメします!
Aさん、美味しいお蕎麦をありがとうございました。