先日「A FILM ABOUT COFFEE」という映画を見てきました。珈琲に情熱をかける人々のドキュメンタリー映画なのですが、珈琲豆の栽培から精製、焙煎、そして1杯のコーヒーを抽出するに至るまでの様々なシーンが描かれており、私自身とても勉強になりましたし、あらためて大きな刺激を受けました。




深炒り珈琲にこだわり、伝説の喫茶店と言われつつも13年に閉店した「大坊珈琲店」のマスター、「エスプレッソはセクシーでなくては」と言いながらムーブメントに決して媚びない「ベアポンド・エスプレッソ」の日本人オーナー、「珈琲は浅炒りでなくてはダメだ」と言い切りサードウェーブと呼ばれるコーヒームーブメントを牽引するアメリカのロースター「スタンプタウン・コーヒー」のオーナー。コーヒーをこよなく愛する人物は、どの方も皆魅力的でありました。

同じ珈琲豆という材料を用いながらもこれほどまでに多用な表現があり、そのそれぞれに奥深い世界観があることに驚くばかりです。そして私が感じたのは「珈琲の表現に王道はない」ということ。珈琲豆の浅炒りをよしとする人がいる一方で深炒りを探求する人がいる。ドリップが最高とする人がいれば、サイフォンやエスプレッソを愛する人がいる。

常日頃「焙煎は料理だ」と思っている私が思うに、料理にいろんな焼き加減や調理法があるのと同様に、コーヒーだって様々な表現があるのは当然だと思うのです。自分で看板を背負って商売する以上は、ぶれない芯を持つことが大事。映画に登場するコーヒーを愛する熱い人々を見て、それを今一度自分の胸に刻み込みました。

映画の中で珈琲豆の栽培から精製までのシーンが紹介されるのですが、撮影地はルワンダ共和国。素晴らしい映画に敬意を表して、今回ルワンダのコーヒー豆を仕入れました。2015年度のカップオブエクセレンス(珈琲豆の品評会)入賞農園のコーヒー豆です。




ルワンダコーヒーが持つ良質な酸味と甘みを味わっていただけるよう、今回はハイ・ロースト(中炒り)で焼き上げました。オレンジピールのようなすっきりとした酸味と甘みのハーモニーが素晴らしいコーヒー豆です。期間限定での販売になりますので、気になる方はお早目にどうぞ!29日からの発売です(30日は定休日となります)